ほんとに停まった!
車を運転していて、自転車や歩行者にヒヤリとしたことはありませんか? 僕は逆にあまり運転しないので、道を歩いている時にスピードを落とさずこちらに向かってくる車にドキドキさせられます。特に歩道が無いようなところだとなおさらですよね。
こんなふうに、みなさんも道路で危険を感じることがあると思います。安全は常に意識しないといけないことですね。あまり有名ではありませんが、7月1日が「国民安全の日」だって知ってました? みんなが安全について考え、交通事故や火災などといった災害の防止を図るための日なんです。
ギズモードでもこの機会に最新の安全技術を体験しに、自動車メーカー・スバルのショールーム「CAR DO SUBARU 三鷹」さんにおじゃましてきました。ここでは先進の安全支援システム「EyeSight(ver.2)」を実際に試すことができます。
EyeSightはなぜ安全?
EyeSightは「プリクラッシュブレーキ」、「全車速追従機能付クルーズコントロール」などの機能を搭載した運転支援システム。これらの機能についてはまた後ほど詳しく説明しますが、EyeSightの最大の特徴は名前に「Eye(目)」とあるように、リアビューミラー(ルームミラー)の左右に平行に配置された2つのカメラ(ステレオカメラ)が搭載されていること。
ステレオカメラから取り込まれた映像は3D画像処理エンジンで処理され、人間の目と同じように2つの映像の微妙なズレから前方の対象物との距離を探知してくれます。それに加えて、エンジンや各種センサーからの走行状況をもとに車両制御ソフトウェアが制御の必要性を判断してくれるのです。
そして、EyeSightは前を走っている車だけでなく、視界に入った歩行者や自転車も形状から認識可能。また、実際にステレオカメラが「見ている」ので、レーダー式の安全システムでは探知できない道路の白線やガードレールまで認識することができます。
安全の味方「プリクラッシュブレーキ」
今回おじゃました「CAR DO SUBARU 三鷹」さんでは、このEyeSightの能力を活かした機能のひとつ「プリクラッシュブレーキ」を実際に試すことができます。
プリクラッシュブレーキの説明や体験を、「CAR DO SUBARU 三鷹」の久保田さん(画像)にご協力頂きました。
プリクラッシュブレーキは、前方に衝突の危険があるときに作動する安全機能。まずは、衝突の約2.5秒前に警報音と警告表示でドライバーに注意を喚起してくれます。そこで回避操作が行われないと、衝突の約1.8秒前に軽い自動ブレーキが作動。それでも回避操作が行われない場合は、衝突の約1秒前に強い自動ブレーキが作動して衝突回避、または被害を軽減します。30km/h以内であれば衝突を回避してくれますが、路面の状況や乗員数によっては30km/h以内でも回避できないことがあります。
聞くとたしかに凄そうな機能ですが、本当に車が自動で停まってくれるの? その疑問を解消すべく、ここ3年くらいペーパードライバーの僕がEyeSightを搭載したスバルのレガシィB4で実際に試してみました。
前方の対象物までの距離は20mほど。それに向かって20km/hくらいまで加速して、ブレーキペダルは踏まない、という実験です。普通の車だったら無謀に聞こえますよね。でもEyeSightがあれば...
車のハンドルを握るのは久しぶりなので妙に緊張しちゃいました。目標のパネルの向こうが車道なのが地味に怖かった~。プリクラッシュブレーキが作動してくれないと大変なことになっちゃいそうですが、結果は動画のとおり。ピタリと綺麗に停まってくれました。しつこいようですが、もちろんブレーキペダルには一切触れていません。終始「ピピピピピピ...」と聞こえるのは、前方の危険を伝える警報です。
しかし、停まるとわかっていてもハラハラするものですね。衝突回避のための自動ブレーキも、思っていたより急でドキッとしました。途中でスピードが落ちているといっても、ギリギリのところで「ガタンッ!」って停まりますからね。
ちなみに停まったところを横から見るとこんな感じ。
対象物からだいたい30~40センチほどの間隔があいています。いや~、やっぱりEyeSightすごい! (はじめに少し疑ってしまってごめんなさい...。)
ちなみに、プリクラッシュブレーキの作動は1回のエンジンスタートにつき3回まで。3回作動するとEyeSightが何かの異常を疑って自動でオフになります。また、車内のスイッチ(画像右)でドライバーが任意にプリクラッシュブレーキ機能をオフにすることもできます。
EyeSightはあくまで補助機能なので、日頃から常に安全運転は心がけましょう。これがいちばん大切です。
まだまだある、EyeSightの便利機能
EyeSightの機能はプリクラッシュブレーキだけではありません。他にも安全に貢献する便利な機能が満載です。
例えば、0~100km/hの間で前を走る車から3段階で設定した車間距離をあけて追従してくれる「全車速追従機能付きクルーズコントロール」や、前方に障害物があるときにアクセルの誤操作による急発進を防止する「AT誤発進抑制制御機能」もEyeSightのシステムの一部なんですよね。
それ以外にもEyeSightには「ふらつき警報」や「車線逸脱警報」、「先行車発進お知らせ」といった多彩な警報&お知らせ機能が搭載されています。「EyeSight」公式サイトではこれらの機能がわかりやすく説明されていますよ。
EyeSightは安全のための機能だけでなく、運転中の快適さを高める機能まで付いているのがドライバーにはうれしいですね。お知らせや警報は作動しないのがもちろんベストですが、あると頼もしいです。そして、快適に運転できるということは安全運転にもつながるので、やっぱりEyeSightが付いていると安心さが違います。
気軽に「安心・安全」を
これだけの機能を備えたスバルのEyeSight。
最新の運転支援技術となるとオプション価格も高くなることを想像してしまいますが、レガシィ、インプレッサといった一部車種の新車にプラス10万円で追加できてしまいます。これは車の本体価格の数十分の1。得られる安全のメリットを考えると、とてもお得ですね。
今回EyeSightを実際に体験してみて、ほんとうに信頼できる安全機能であることが実感できました。ハードルが低めに設定されたEyeSightのオプション価格からも、スバルの安全に対する意気込みが伝わってきますね。
EyeSight [スバル]
(ニール太平)