ツタンカーメンの墓を見つけるために、考古学者ハワード・カーターはまず、スポンサーを探す必要がありました。しかし、今ではネットさえあればカーターになれるのかもしれません。Google Earthを使えば、誰でも航空写真を精査して、失われた宝を探すことができるわけですから。
アメリカ、ノースカロライナ州に住む衛星考古学者(satellite archaeology researcher)の アンジェラ・ミコル(Angela Micol)が、Google Earthの衛星画像からピラミッドの遺跡と思われるものを発見したそうです。彼女が見つけたのは2地点で、それぞれは90マイル(145km)程度離れています。
ひとつ目の地点にあるのは140フィート幅(42.6m)の正方形の台地です。ピラミッドが先端から浸食されて平らになったのだと考えられます。近くには3つの塚もあり、3つのピラミッドが一直線に並んでいる様子がギザのピラミッドと類似しているという指摘もあります。(Top写真参照)
この場所はプトレマイオス2世が作ったと考えられている古代都市Dimaiから2マイル(3km)の地点でもあります。ピラミッドはDimaiと同様に、日干しレンガと石によって構築されたと考えられています。
もうひとつの場所は、ナイル川近くの都市、アブ・シドフムから12マイル(19km)ほど離れた所で、4つの塚と三角形の台地があります。2つの塚は大きく、250フィート(76m)程、もう2つは100フィート(30m)程です。これらの塚は明らかに、三角形の台地に合わせて作られたと考えられます。
Google Earth上で見つけたなんて、どの程度信憑性があるものやら、と思う方もいるかもしれません。ただ今回の場合はエジプト学者でピラミッドの専門家であるナビル・セリム(Nabil Selim)も、これは遺跡の可能性が高いだろうと太鼓判を押しています。実は、衛星写真から遺跡発見が行われたのはコレが初めてのことではありません。エジプト学者で、アラバマ大学バーミングハム校の教授、サラ・パーカック(Sarah Parcak)は昨年、17のピラミッド、3100の集落、1000以上の墓の痕跡を発見したと言っています。
Google Earthすごし。
[Google Earth Anomalies via ANN via Engadget]
Leslie Horn(原文/mio)