訳者もばっちり泊まってるので相当焦ってるんですが...
アメリカがかつて生物兵器に使えそうな出血熱ウイルス3候補のひとつとして研究していたハンタウイルスが、あの風光明媚なヨセミテ国立公園で大発生。6月初旬からテント小屋に泊まった観光客のうち少なくとも6人がハンタウイルスに感染し、うち2人が死亡、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が世界中に警戒を呼びかけています。
米国立公園局(NPS)によると、グラウンドゼロはヨセミテのテント小屋。
テント小屋と言っても訳者が泊まった仕切りがカーテン1枚のボロっちいハウスキーピング・キャンプの方じゃなく、その奥のカリーヴィレッジに2009年に建ったシグネチャー・テント・キャビン91棟の方です。8月最終週に死亡したベイエリアの男性もペンシルバニアの男性もここに6月に泊まっていました。
こちらは断熱材が2重になっており、その間にウイルスを媒介する野ネズミが巣食ってた形跡も見つかってます。なんせクォーター硬貨4分の1ほどの小さな穴からでも潜り込めるそうなので...外敵をシャットアウトするはずがロックインしてしまったという...。
公園当局はテント91棟を全面閉鎖して消毒を行い、レイバーデイのかきいれどきの3連休も返上で検査・改修を進めています。
ハンタウイルスとは?
ハンタウイルス肺症候群(Hantavirus Pulmonary Syndrome :HPS)は元々「韓国型出血熱(Korean hemorrahgic fever)」と呼ばれていたものの新種。
旧日本陸軍が旧満州で感染した韓国型出血熱は致死率15%で、それと同じものが1950年代に朝鮮戦争で駐留した国連兵士の間で流行り、1970~80年代にはラット研究者の間で流行しました。アメリカで1993年突如現れた新種ウイルスは致死率65%にまでパワーアップしていましたが、その後は38%まで落ちてます。
発症は極めて稀ですが、罹るとワクチンも治療法も確立していないため進行スピードが治療のスピードを上回ってしまう場合も。つまり早期発見が勝負。なので、CDCもHPSの症状が出たらすぐ医師に相談するよう注意を促しているんですね。