エイサーがアリババのモバイルOS「Aliyun」 をベースとする安価な携帯を中国向けに作ったのに13日のプレスイベント開催当日になってグーグルから横槍が入ってドタキャンとなる騒ぎがあり2ましたね。
会場には海外報道陣が集まり始めてからのタイミング。発売延期の理由としてアリババが...
「Aliyun搭載の新製品を売り出したらエイサーへのAndroid製品開発の協力および技術認可を打ち切る、との連絡がグーグルから提携先(エーサー)にきたため」
...と発表したもんだから大変。「Android以外のOSの携帯売ったメーカーはAndroidオープン・ハンドセット・アライアンス(OHA)から除名されちゃうの!?」、「他のメーカーはWindows Phoneも作ってるんじゃない?」と様々なメディアに取り上げられました。
数日置いてグーグルはNGを出した理由をこう説明しています。
互換性はAndroidのエコシステムの中核をなす要素であり、開発者・メーカー・消費者に一貫性のあるエクスペリエンスを届ける上で欠かせないものです。
Aliyunのように、Androidと互換性のないバージョンのAndroidは、このエコシステムの弱体化を招くもの。オープン・ハンドセット・アライアンス加盟全社には、Androidというひとつのプラットフォームを構築し非互換のAndroid端末は出さないということでご誓約いただいています。
AliyunはAndroidの派生なのに互換がないからアウト、というわけですね。
Marketing Landが続報で書いたように、グーグルは「Android Open Source Project」と銘打ってAndroidのソースコードを無料で公開しており、アマゾンもここからコード拾ってKindle作ってるし、競合バーンズ・アンド・ノーブルもここからコード拾ってNook作ってて、たぶんアリババもここから一部コード拾ってAliyun作った節があるようなんですね。
グーグルのアンディー・ルービンはGoogle+でこう書いてます。
Aliyun OSはAndroidのエコシステムの一員じゃないんだから互換性持たせる義理はない、それは我々も同意です。
だが実際問題、AliyunはAndroidのランタイム、フレームワーク、ツールを使ってるわけで、アップストアにもAndroidアプリ(海賊版のGoogleアプリ含め)を置いてますよね。 AliyunがAndroidプラットフォームを土台とするOSであること、OHA加盟各社がこのプラットフォームに注ぎ込んだ労力にただ乗りするOSであることは議論の余地もないことです。
Androidのエコシステムの恩恵を受けたければ互換にしてください。簡単なことです。無料だし、なんなら我々が手伝ってあげてもいい。ですが、互換じゃない方を選ぶなら、統一されたAndroidのエコシステム構築に協力し、Androidに対応しているOHA加盟各社からの協力はないものと思ってください。
エイサーがAliyun作ってることは前から分かってたことなので、敢えてこういう目立つかたちにしたのにはまた別の思惑がありそうですけどね。
[Reuters, WP Central, Marketing Land, Andy Rubin]関連:本の虫: Aliyun OSについて
satomi(米版/Casey Chan)