ギークを自認する人には他の選択肢をおすすめしますが、これからタブレットデビューという人にはかなりいいんじゃないかと。
今日、日本で発売されたKindle Fire HD。数時間だけですが触ってみたので、ファーストインプレッションをお届けします。7インチ前後のクラスはすでにタブレットの主戦場といってもいいくらい群雄割拠。そのなかでKindle Fire HDはどんなポジションになるんですかね。冒頭ですでに結論めいたことを言っちゃいましたが、その理由は追々ご説明します。
ディスプレイは最高!
Kindle Fire HDは解像度1280 × 800の7インチLCDディスプレイを搭載。
これはiPad mini(ディスプレイサイズは7インチ)の1024 × 768を超え、Nexus 7と同等です。実際に見てみて驚いたのがディスプレイの上にガラスの層を感じないこと。本当に表面に画面が表示されているような印象です。しかも、上の画像のとおり、視野角は広くて良好。すごくいいディスプレイだと思います。
※クリックして拡大
コミックの表紙を表示してみました(連載再開、まだかなぁ)。上の画像はリサイズしていません。右側はピンチして最大まで拡大してみたところです。PCのモニターで見ると荒れているように見えるかもしれませんが、これが7インチに収まっていると思えば、その高精細さがわかるでしょうか。
持ってみた感じ
アンボックスの記事で懸念していたベゼルの太さですが、片手持ちにはちょうどよかったです。上は握るように持ってみたところ。僕は手が小さめなので親指と中指で挟むような感じになってますが、手の大きい人ならもっと安定しそう。
こっちはつまむように持ってみたところ。太いベゼルがちょうど親指を置くスペースになるので、誤動作の心配はいりません。iPad miniみたくOSレベルで「操作」と「握る」を検知して誤動作しないようになっていれば別ですが、Androidでは端末メーカーが独自に対応している状態ですから、価格を考えればこのベゼルの太さは正解と言えるのかも。
ちょっと残念なところ
ベンチマークを測ってみました。同レベルなのは約1年前に発売されたモデルたちなので、ちょっとさびしい結果。
実際に触ってみても、そこまでヌルヌルサクサクではないです。デュアルコアじゃなくてクアッドコアだったらなぁと思ってしまいます。
そして、公式ではディスプレイの次に推している音質も試してみました。
イヤホンで聞いても、内蔵スピーカーで聞いても「すごい!」とはなりませんでした。。まあ、これは最近のAndroidはどのメーカーも結構音質に力を入れていて、差別化が図れなくなってきているのかもしれません。
良くも悪くも迷うところがないUI
UI(ユーザインタフェース)はメチャクチャシンプルです。上の画像はホーム画面。壁紙という概念すらありません。ウィジェットだって並べられません。フリックしてコンテンツやカテゴリを選ぶだけです。
ただ、面白いのが「お気に入り」。本でもアプリでも楽曲でもサイトでもなんでも放り込んで、ホーム画面からすぐにアクセスできます。これ、わかりやすいです。このUIなら、うちのオカンでもたぶん使えます。
まとめ
Nexus 7ほどの自由もないし、iPad miniを始めとするiOS端末ほどの優れたエコシステムもない。言ってみれば、Kindle Fire HDはそんな端末です。Kindleアプリだって、Amazon Cloud Playerだって、AndroidでもiOSでも使えちゃいます。
それに、「電子書籍を読みたい!」ってだけならEインクのPaperwhiteの方がいいです。電池の持ちも目への優しさ的にも。
でもコスパはいいし、迷わず直感的に使えます。タブレットデビューしたいという人にはおすすめできますよ。あと、ギークな方々だって、クリスマスプレゼントやお年玉の代わりとして、まわりの人にプレゼントするのもありかも。ちょうどいい箱庭感、そんな端末です。
Kindle Fire HD[Amazon]
(松葉信彦)