真っ黒焦げ...
全日空(ANA)のボーイング787型機がバッテリーの異常で世界一円で運航停止になって、同社は1月14億円の減収だそうですね...
こんなに溶けるまで燃えるんじゃしょうがないけど、興味深いのは、ボストンの空港で1月7日JAL機が発火し、同16日高松空港でANA機が緊急着陸する前にもう、製造元のボーイングは787型機のバッテリーに異常があることを全部知ってた、ということです。
NYタイムズが報じたんですが、ANA(787型機運行数最大)は事故に先立つ昨年5~12月にリチウムイオン電池10個を交換してて、その際ボーイングにバッテリーの問題について報告していたというんです(ただし欠便に伴う報告義務はなかったので当局には報告しませんでした)。
NYタイムズはこう書いてます。
交換した10個のうち5個で、メインバッテリーのチャージが突然下がる問題が確認された、と全日空は話している。この主電池で突然チャージが下がる問題は、1月16日に日本で緊急着陸したANA787型機でも起こっていた。
ANAは他にも過去3回、メインバッテリーが通常通り起動せず、充電器と共に交換となったトラブルもあったことを明らかにした。また、1個のバッテリーに読み取りエラーが発生し、もう1個の補助動力装置(APU=auxiliary power unit)起動用バッテリーが動かなくなるトラブルも複数回あったという。
リチウムイオン電池は正しく充電・放電しないとオーバーヒート(熱暴走)するので、飛行機で従来使われてる普通のバッテリーより若干リスクは高めです。
米国連邦航空局(FAA)がボーイングにリチウムイオン電池の使用開始を認めたのは2007年ですが、 その時は「そういう発火を未然に防ぐことができるならOK」という条件付きでした。まだ787の空の運行は始まったばかりですが、ボストンでは熱暴走とさらに短絡現象なるものも起きています。787ドリームライナーではまだ「防げてない」ということになりそうですね...
[NY Times]関連:787運行停止はいつまで続くのか
(原文1、2、3/satomi)