Facebook Homeとは果たして...。
米Gizmodoのサム・ビドル(Sam Biddle)記者が、リリース間近のFacebook Homeに触ってきました。Facebookヘビーユーザーであるビドル記者の目からみた使用感はどんなものだったのでしょうか。見てみましょ。
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Facebook HomeはFacebook Phoneではない。しかし、ただのアプリの集まりでも、オペレーティングシステムでもない。これは、Facebookへの入場券だ、入り口なのである。Facebookヘビーユーザーである私は、いつでもどこでも、Facebookをチェックしたいと思う。もし、あなたも私のようなヘビーユーザーならば、Facebook Homeは生活の中心になるだろう。もし、ヘビーユーザーじゃないのなら、Facebook Homeの登場でモバイル端末はただ鬱陶しいものになってしまうので、ご注意を。
Facebook Homeは、あれこれいろんなことが出来るわけではない。それは悪いことではなく、最初からそんなふうに作られているからだ。ユーザーの設定しだいで、ロック解除した画面は時計だったり、天気予報だったり、メールだったり、ニュースだったりする。それはなんでも好き勝手できるという、Androidの特性である。
が、Facebookはその逆をいった。ちょっと待て、と。落ち着け、と。ウィジェットやらなんやらはとりあえず1回外せ、と。便利に思ってるけど、実はごちゃごちゃさせて自分で使い勝手悪くしてんじゃねーのか、と。フォントのカスタマイズとかで時間割くな、と。つまり、そんなこと全部Facebookに任せておけ、こっちでいい様にしますから、と。それがFacebook Homeである。
デザインと使用感
Facebook Homeの何よりの特徴は、大きな写真とテキスト。News Feedの中で、より重要/価値ある/注目のニュースがCoverfeedという名の情報ダイジェストとして表示される。
端末をオンにすると、例えば最初に目にするのは友人の子供かもしれない、それを見て「あ、〇〇ちゃんカバー写真変えたんだ」と思う。さて、次に右にスワイプすれば、今度は先週のパーティーの写真。スワイプ写真、スワイプステイタス変更、スワイプ写真、スワイプポスト、このようにスワイプするだけで、次々に友人の最新情報を見ることができるのだ。まるで情報のスライドショーである。Facebookのアプリを立ち上げるまでもなく、端末のロックを解除するとすぐにこの画面になるのである。
コメントをタップすれば書き込める。
写真をダブルタップすれば「いいね!」。
FacebookにTimelineが導入されて写真を大きく見せるようになった。Facebook Homeは、何よりこの「大きく見せる」に重点を置いている。お腹一杯になるまで、とにかく小さな皿で次々と料理がでてくる。ヴィジュアルタパス、それがFacebook Home。食べ過ぎ注意だ。
もちろんただ情報を摂取するだけではない。消化した上でアクションを起こしてこそだ。何を見ていても、すぐにメッセージができる。これは使いやすい。さらに、自分のアイコンを好きなとこに動かせる。自分の顔がそのままコントローラーになるのだ。
自分のプロフィールアイコンを左に移動させれば、メッセージメニューがオープン。そこから送り相手を選んで送信。Facebook、IM、SMSが並列で扱われているのが特徴。メールを送って会話が始まるとChat Headと呼ばれる会話の流れがわかるものがスクリーンに表示。端末の他どのアプリを使っていても、会話の相手である友人のミニアイコンがオーバーレイレイヤーとして常に表示される。なので、何をしていてもどこからでもすぐに会話に戻ることが可能。オーバーレイでアイコン表示とか邪魔くさいと思うだろうが、使ってみるとそうでもない。
また、コントローラー代わりの自分のアイコンを右に移動させれば、前に使っていたアプリに戻ることができる。上に移動させれば、Androidのお気に入りアプリを表示。まさに自分が、全てを握る端末の中心だ。
良いところ
Facebook Home導入で、今までの電話が一新する。それも無料で。無料で新しい何かを体験できるというのは素晴らしい。斬新でエネルギーに満ちている、なのにクリーンなものを体験できるのだ。あまり必要じゃないアプリでごちゃごちゃするのは、これを機にサラバ。とにかく驚くほどシンプルな使い勝手なのだ。
スマートフォンで何をよく行なっているか。メール、Eメールチェック、ウェブ観覧、SNS...。SNSで友人と繋がり近況を知る、生活の中でSNSが占める割合が大きくなってきている。それならば、SNSのFacebookにスマートフォンのスクリーン画面をお任せするのも、奇妙ではあるが自然な流れなのかもしれない。どうせチェックするのなら、その過程を1つ減らしただけなのだ。見ようによっては、FacebookがグーグルやHTCからその仕事をとってきた、ともとれる。誰かがその役割を担うなら、よく使うFacebookでいいじゃないか。すると、スマートフォンがさらになじみ深いものに感じるのだ。
さらに、Facebook Homeを使うことで、今のスマートフォンがどれだけいらないものでゴチャゴチャしていたかがわかる。必要なのはほんの少しだったのだ、そしてFacebook Homeはそのほんの少しだけを提供している。
嫌なところ
もし、Facebookユーザーじゃなければ、もしくはアンチならば、Facebook Homeは向かない。FacebookのためのFacebookを中心としたシステムだということをしっかり理解して、自分はターゲットなのかを考えてから使うべきだ。人によっては、たまに起きるUIのつまり具合やレスの遅さにイラつくだろう。
また、アドレス帳にもマイナス点を感じる場合もあるだろう。FacebookもSMSもIMも並列扱いなので、このAさんはあのAさんだっけ、Cさんが5人もいる、という状況になるのである。他サービス間で同一人物をマージするところまでは、まだできていないのだ。同じ人物のアカウント名が若干違って何回も表示される、この面倒な状況には必ずぶち当たる。
また、今後起こりえる懸念点と言えば、Facebook Homeは無料で提供されているが、今後広告が入ってくる可能性も否定できない。広告導入がいつになるかわからない、しかし入ってこないとは言い切れないのだ。
使うべき?(買うべき?)
買うというのが文字通り購入する、つまりFacebook HomeがプリインストールされているHTC Firstを購入するべきかと言えば、答えはもちろんNO。Facebook Homeは無料で提供されているのだ。そのためにわざわざハードを買う必要はない。ハードを購入するならば、ハードの良さを考えて購入するべきだ。
使うべきか?と言われれば、もちろんYES。すでにFacebook Home対応端末を持っているFacebookヘビーユーザーはもちろん使うべきだ。(Facebook使わない人は、もちろんNOね。)
HTC First、HTC One X、HTC One X+、HTC One、サムスンGalaxy S III、Note II、Galaxy S4、以上の端末を使っている人は、是非大変してもらいたい。
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Facebook Home、いよいろ明日4月12日無料リリースです!
そうこ(Sam Biddle 米版)