風を惑わせるとは、これ一体?
ムンバイで最も高い高層ビルとなる予定のインペリアルタワーのデザインが、Smith + Gill Architentsから発表されました。このデザインは「風を惑わす作り」になっているということですが、どういう意味なのでしょう。
Gordon Gill氏に聞いてみると、インペリアルタワーのデザインは、高層ビルが少ないムンバイで人々をあっと言わせたいという思いのもとに作られたといいます。160階建て、高さ1200フィート(約365メートル)にもなるタワーは、完成すればムンバイで最も目立つ建物になるのは間違いなし。外観にガラスを多く使用し、いたるところにカットアウトされた開けたエリアが見られます。カットアウトエリアは、場所によってバルコニーだったり、庭だったり、特に用途がなかったりするわけです。
Gill氏曰く、これらのカットアウトは飾りではなく、高層ビルへの風当たりを考慮して作られた、ビルの構造上いたって重要な役割を担うものだといいます。
「もし、ビルの片側に風が吹いて逆側に渦がおきたらどうする? 負圧がかかって、ビルが横に引っ張られたらどうなる? それを防ぐために、カットアウトはガラスの羽として風がスムーズにビルを通り抜けられるような役割を果たしている」とGill氏はコメントしています。こうして建物全体のバランスを考えデザインすることを、氏は「ビルをチューニングする」とよんでいますが、まさにその通りですね。風を困惑させるとは、カットアウトによって風を流すという意味だったのですね。
もちろん、デザインが公開されたものの、建設にはこれから莫大な金額と長い月日がかかります。風を考えたカットアウトデザインには、様々なデータも元になっています。が、実際に建て進んで行きテストを行なわなければ実際どうなるか定かではないということですが。
[Smith + Gill]
そうこ(KELSEY CAMPBELL-DOLLAGHAN 米版)