蓋の内側なので目立ちません。
最近のスマホはパソコン並のハイパワーを備えており、それ相応の高熱を発します。空気が刺すように冷たい冬場であれば、ポケットに入れても役に立ったのですが、今は5月。どんどん気温が上がっています。へたしたら50度にも届こうかという端末に長時間触れるのはしんどくなってきました。
...いや、正直に言いますと冬場でもしんどかったです。手に持つと熱い。金属が発する熱って乾いててなんとも嫌な感じがします。せっかく薄くて持ちやすいXperia GXを選んだのに...。どうにかならないものかと思っていたところ、Amazonでこんなものを見つけました。
銅箔を使って熱を逃がす片面シールのヒートシンク
AINEXという会社が販売しているもので、厚さ0.2ミリの小さな放熱シートです。熱を遠赤外線に変換して放出するソフトタイプと、より熱伝導率の高い銅箔を使うことで効率を高めたハイブリッドタイプがあり、今回はハイブリッドタイプを使っています。
この製品はスマートフォン用ではないのですが、サイズが小さめで安く、ハサミを使って好きな形に切れるので便利です。また高い絶縁性も実現させており、電気を通しやすい"銅"を使用しているにも関わらずICなどの電子部品に使用出来ます。
効果のほどは『BatteryMix』というアプリの温度グラフで確認しました。ちょっと薄い黄土色の線が温度の推移で、単位はグラフ右側の数値です。残念ながら剥がすと二度と使えないため貼り付け前の温度データが去年の8月のものになりますが、温度の急激な上昇があまり起こらず、操作時・充電時通して比較的安定的な推移となっていることがわかるかと思います。
今回の計測時にはわざと発熱を高めるためにオンラインストレージ上に保存した音楽をLTEでストリーミング再生するなど通信を多用してみたのですが、はっきりと体感できる形で結果が現れてくれたと認識しています。
充電中でも35度前後を保つなど、温度の最高値が下がったことも大きいのですが、使っていてそれ以上に体感できたのが「冷めるまでの時間」です。グラフに現れるほどではないのですが、たとえばYouTubeで15分くらいの長い動画を1本見た時、端末の温度が著しく上昇したものの、5分と待たず温度が下がり、触っても指に熱が伝わってこなくなりました。
放熱製品なだけに、熱を逃がす性能はとても優れているようです。
モバイル機器向けのシールは結構ある?
秋葉原などのPCパーツ専門店には、小さなモバイル機器専用のヒートシンクが販売されているようです。
こちらはサンコーが発売したモバイルヒートシンクで、写真だとiPhoneが使われており、本体裏面に貼り付けられるように模様が入っているようですが、製品ロゴなども記載されているためできれば見えない内側に貼りたいところです。専用カバーを使う場合は別ですけどね。
こちらの製品は電池パックに貼り付けることで熱を逃がす代物のようですが、端末によっては背面カバーがつけられなくなる可能性もあるとされています。
今回試したAINEXの「まず貼る一番 ハイブリッド HT-02」は、薄さに定評のあるXperia GX SO-04Dのプロセッサやモデムがある(と思われる)部分に貼りつけたうえでカバーを閉じることができました。またハサミで好きな大きさに加工できるところもポイントです。
この端末はカメラレンズが出っ張っており、レンズ周辺にシールがあるとカバーを閉じることができません。そこでレンズ周囲は避けて貼ることになったのですが、熱を伝えて逃がす性質を考えるとできるだけ面積を大きく取りたいと思い、レンズとフラッシュライトの間の狭い部分を通して左右両方をシールで覆いました。このため、フラッシュライトに被らないよう大きくUの字に切り取っています。
端末によってはバッテリーよりもプロセッサなどの部分が熱くなることがあるので、この選択は正解だったと思っています。
※ただし、絶縁性に優れているとはいえ銅箔が含まれるため静電気を最大限に警戒し、露出しているビスやボルトなど金属部分へは一切触れないように配慮しています。
はじめてスマートフォンを持つと、電力消費量と共に発熱量にもビックリすると思います。マルチタスクが実現され複雑な操作が可能となったスマートフォンならではの悩みの種は、少しでも解消したいもの。
「まず貼る一番 ハイブリッドタイプ」は400円以下と超お手頃です。背面カバーを剥がせる端末であれば、恐らくほとんどに対応できると思われます。熱でお悩みの方、一度こうした対処法についても考えてみてはいかがでしょうか。
[アイネックス まず貼る一番 ハイブリッド HT-02]
(TK)